生産技術の開発②

こんにちは、ゆたんぽです。

本日は前回に引き続き生産技術の開発に関する記事を書いていきます。

今回は、生産技術の開発におけるAIの普及について記事を書いていきます。

近年、AI(人工知能)による自動化が様々な分野で進んでいます。特に、製造業においてAIによる自動化が進んでおり、生産技術における大きな変革が起こっています。

生産技術のAI普及状況

生産技術におけるAIの普及状況は、業界や企業によって異なりますが、世界的に見ると、AIを活用した自動化による生産の効率化や品質管理の向上が進んでいます。

特に、自動車産業や半導体産業など、大量生産が求められる産業では、AIを導入することで、生産効率や品質管理の向上が進んでいます。例えば、自動車産業では、AIを活用した自動運転技術の開発や、自動車の製造ラインにおけるロボットの活用が進んでいます。また、半導体産業では、AIを活用した品質管理や製造プロセスの最適化が進んでおり、生産効率の向上に大きな貢献をしています。

また、日本国内においても、製造業におけるAIの導入が進んでいます。日本政府は、2020年に「Society 5.0」を提唱し、AIやIoTなどのデジタル技術を活用した社会の実現を目指しています。また、経済産業省は、2025年までに国内の製造業において、AIの導入率を50%以上に引き上げることを目標に掲げています。

この流れは生産技術に影響を与えますので、さらならAIの活用がされていくでしょう。

AIが普及している理由

現代の生産技術において、AIが普及している理由には以下のようなものが挙げられます。

高い生産効率の実現

AIは、機械学習や深層学習などの手法を用いて、自動的に最適な生産プロセスを探索することができます。例えば、ばらばらで山積みをされた部品を1つ取り出すような技術では、このAIの探索技術が役に立ちます。おおよその位置を推定したり、姿勢を推定するなどAIが得意な技術を生かすことができます。

このように、AIを導入することで、今まで自動化されていなかった領域が自動化されることで、生産効率が大幅に向上し、生産コストの削減や品質の向上が実現されます。

人手不足の解消

人手不足が深刻化する中、AIによる自動化が求められています。上記でも述べましたがAIを導入することで、今まで自動化できなかった領域を自動化でき、作業者の負担を軽減することで、作業効率を向上させることができます。また、AIによって自動化された作業は、精度が高く、繰り返し作業によるミスの発生を防ぐことができます。そのため、人の作業よりも品質を上げることができるので、より人手削減に役立ちます。

今後、人口が確実に減少していく日本では、このAIの普及は欠かせないものになるでしょう。

大量のデータ処理の効率化

現代の生産技術には、大量のデータが必要となることがあります。例えば、製品の生産過程や品質管理のためのデータなどです。AIは、大量のデータを自動的に処理することができ、生産技術におけるデータ解析や品質管理の効率化に大きな貢献をしています。

継続的な品質管理の実現

AIは、センサーやカメラなどのデバイスと連携して、製品の品質管理を実現することができます。例えば、自動車の製造過程においては、AIによって製品の欠陥部位を検出し、その欠陥を自動的に修正することができます。これは人手の作業よりも精度が上がっている例なので、品質管理におけるヒューマンエラーを防止することができ、高品質な製品を生産することにつながります。

実際の現場のAI導入状況

私の働いている職場でももちろんAIが導入されています。例えば、部品のおおよその位置を推定するSSD(Single Shot Multibox Detector)が導入されています。SSDは、機械学習の物体検知アルゴリズムの一つであり、現在広く使われているアルゴリズムの一つです。SSDは、物体検出を行うために、画像から複数の領域(アンカー)を抽出し、それぞれについて物体が存在するかどうか、物体の種類、位置、サイズを予測します。

この技術を利用することで部品の位置と姿勢を大まかに検出し、その位置を詳細に確認して、部品の位置を推定することを行っています。位置推定は色んな画像処理の技術があるのですが、姿勢推定は今まで出来ていなかった技術です。この姿勢推定ができると、詳細を確認する際に、その姿勢だけ情報を処理すればよいので、高速化につながります。

しかし、AIを利用するのはいいことばかりではありません。実際にSSDを行おうとすると、人手による学習が必要になります。これは、AI側に答えを教えてあげる作業です。例えば、部品が映っている画像から部品の位置と姿勢を人が教えてあげて、それを答えとして、AI側に取り込みます。これを数百繰り返すことでAI側が求められた答えを出す、アルゴリズムを実装できるのです。これは、単純作業かつ繰り返しになるので、この作業が導入の妨げになっています。

これの対策として、Simが利用されています。Sim上で、部品の供給状態を再現して、学習を行います。理由としては、Sim上だとワークの位置がわかるので、それを答えとして自動でAIに学習をさせることができるからです。これにより、人手による単純作業が自動化され、導入を行いやすくしました。

まとめ

以上のように、現代の生産技術においては、AIが生産効率の向上や品質管理の効率化、人手不足の解消などに大きな貢献をしています。これらの効果は、企業競争力の向上に繋がります。今後も、AIをより高度化し、生産技術の進化を促進していくことが期待されます。特に、AIによる自動化は、機械の自律性を高め、人間と機械が協調して生産を進めることが可能となります。このため、今後は、生産技術において、AIが更に進化することで、人間の負担を軽減することが期待されます。

また、AIを導入することで、生産技術における新しい価値創造が可能になることも期待されます。例えば、AIによる製品の設計や開発により、製品の品質や機能が向上することが期待されます。また、AIによって、生産ライン全体を最適化することができ、生産コストの削減やスピードアップが実現されることが期待されます。

ただし、AIによる自動化は、導入コストが高いという課題もあります。これは、上記で説明した通り、Sim技術の発展により、コスト削減が起きていくでしょう。なにより、全世界でAI導入の流れはより、強くなっていますので、コストが低くなっていくことは間違いないでしょう。

総じて、現代の生産技術において、AIによる自動化は、生産効率の向上や品質管理の効率化、人手不足の解消などに大きな貢献をしています。今後も、AIをより高度化し、生産技術の進化を促進していくことが期待されます。

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